所長と所員によるブログ『今日も未来をゆく』

賃貸住宅未来研究所所長と所員が未来を求めてさまようコーナー。世の中の求める未来はSF映画にある様な「近未来」か、はたまた自然と共に生きる「共存」か・・・所長や所員が話題の場所に足を運び、感じたことを綴ります。

所員編

第4弾
コルビュジエの描いた未来2

2014.11.27

(前回のつづき)

部屋の中に入ると、細長く伸びる住戸空間の向こうに、天井まで伸びる大きな窓がありました。窓の外には日除けが設けられ、室内に入り込む夏の日差しを調節しています。

 

夏は角度の鋭い日差しをさえぎり、冬は角度のゆるやかな日差しが部屋の奥深くまで入り込む。コルビュジエはこの日射調整装置をブリーズ・ソレイユと名付け、広く浸透させようとしました。

 

近年、このように建築の工夫によって自然エネルギーを上手に取り入れる手法は、パッシブデザインと呼ばれ注目を集めています。
このことからも、コルビュジエの先見性がうかがえるように思います。
なぜこのようにも先を見通すことができたのか。不思議に感じながら、ユニテ・ダビタシオンを後にしました。

 

帰国した後、書店でコルビュジエの作品集を手に取りました。
コルビュジエの手によるユニテ・ダビタシオンの図面を見ていると、胸が高鳴るような感覚をおぼえました。

端正に配列された直線。装飾的な造形をかたどる優美な曲線。
実物を見た時と比べて雑多な要素が捨象され、コルビュジエが描いた理想の集合住宅が、より純粋な形で目の前に現れました。

そして、度重なる試行錯誤を重ねたコルビュジエの姿と、彼の先見性の秘密をかいま見たような気がしたのです。

 

第二次世界大戦後のフランス復興計画のひとつとして構想されたユニテ・ダビタシオン。
コルビュジエは将来の住宅の需要に対応するために量産住宅のプロトタイプを作り出しました。

将来住まう人への配慮を尽くし、時代の要請に真摯に向き合う。

そんな姿勢が、おのずと建築家に比類ない先見性をもたらしたのではないでしょうか。

コルビュジエのように、社会が直面する困難にいち早く目を向け、解決のために絵を描く。

未来はそこからはじまる、そのように思います。

 

(おわり)

 

写真

Page Top